●吉野ケ里遺跡 よしのがりいせき
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佐賀県神埼郡の神埼町から三田川町にまたがる丘陵地にある遺跡で,佐賀県教育委員会によって発掘調査が行われ,1989(平成1)年3月から公開されるや5月初めまでに百万人を越す見学者を集めるほどの関心を呼んだ。佐賀県はいち早くその保有を決定し,建物などを復原して史跡公園とした。吉野ケ里遺跡は推定2.5kmの外濠で囲まれた弥生後期(紀元2〜3世紀)の環濠集落である。集落内にさらに内濠で囲まれた長方形区画があり,ここには物見やぐらなどが設けられている。ここにクニを統率した有力者が住んだものと考えられる。このような状況は『魏志倭人伝』に記された女王卑弥呼の〈宮室・楼観・城柵・厳かに設け,常に人有り,兵を持して守衛す〉という記述と符合するものであり,邪馬台国論争に大きな波紋を投げかけた。吉野ケ里遺跡は居館構造,倉庫群,墳墓などが壮観されるとともに,発生期のクニの実態を目で見ることができるところに歴史的意義がある。