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●ミャンマー

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 ビルマがミャンマーへと国名を変更したのは1989(平成1)年である。同時に首都ラングーンやペグーなどの地名も純ビルマ語のヤンゴーンやバゴと改められた。インドシナ半島西部に位置し,ビルマ式社会主義を掲げる連邦共和国である。

 11世紀にビルマ族による最初の統一王朝パガン朝が成立したが,13世紀に元に滅ぼされ,16世紀中頃のトゥングー朝を経て,18世紀にアラウンパヤ朝が成立したが,3次にわたるビルマ戦争(1824〜1886年)でイギリスの植民地支配を受けることになった。第二次世界大戦においては,日本軍のインパール作戦の激戦地となり,ビルマ戦線に従軍した30万の日本兵のうち18万の人々が亡くなった。第二次世界大戦中は日本軍の占領下にあったが,1948年に独立し,1962年以降は軍部を代表する政権が続いている。

 与党ビルマ社会主義計画党(1988年国民統一党に改称)とその政府による政情は不安定で〈閉鎖的社会主義の矛盾から生まれる米や石油を初め,日常生活物資に至るまでの物不足,それに伴う物価高,一般庶民の生活費,それらが,民主化の遅れに対する不満と重なって,政情の不安を作り出す。その不安定で,物資不足,外貨不足へと悪循環が加速される。そして誇り高き人々の国ビルマが,世界の最貧国グループへの仲間入り〉をしているのが現状である。

 こうした中で,ミャンマーの反政府闘争を指導しているのが国民民主連盟の書記長で,「建国の父」アウン=サン将軍の娘アウン=サン=スー=チー女史である。軍事政権による軟禁下での民主化運動への貢献に対し,1991年のノーベル平和賞が彼女に贈られた。戦時中日本語教師としてビルマに赴任した前田多作氏は〈行ってみますと,ビルマという国はとてもいい国でした。いいという意味は……人々の心が温かくて,真心が光っていたという意味です〉と述べている。

〔参考文献〕前田多作『わが愛するビルマ』1990 創栄出版