●難民問題 なんみんもんだい
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国連によれば,難民は世界中で1700万人いる。アフリカはソマリア・スーダン・エチオピアでの紛争で,主にエチオピアに120万人の難民が集まり,西アフリカのリべリア,南部アフリカでも同様の紛争で,アフリカ全体では500万近い難民がいる。中東,南西アジア地域でも紛争が続き,特に湾岸戦争の影響で,イラクに住む少数民族のクルド人は注目を浴びた。もともと,クルド人はイラン・イラク・シリア・トルコ・ソ連の5か国にまたがって住んでいる人々で,総人口数は400万〜2000万説がある。パレスチナ人同様に,自分達の国家を持っていない。長い歴史のほとんどは他民族の支配下にあった。
湾岸戦争後,クルド人はイラク北部で反乱を起こしたが,政府軍に追いつめられ,180万人(推定)もが難民化して国境を越えた。
近年,こうした紛争,ききんなどで,本人の意思によらない大量の難民が生じ,国外へと移動している。 パレスチナ難民,インドシナ難民,アフガニスタン難民,そしてアフリカの飢餓難民などに加えて,ベトナムなどから日本に到着するボートピープルなど「偽装難民」(難民条約上の難民ではなく,経済的理由で職を求めて渡来)も出てくる状況にある。もともと,これら難民に対しては国連においても,難民および無国籍者の地位に関する国連全権会議が開かれ,1954年4月22日の発効で,難民の人権保護と難民問題解決のための国際協力を効果的にするため「難民の地位に関する条約(難民条約)」を採択している。
その後,この条約の補充として1966年,「難民の地位に関する議定書」が作られ,日本は81年に加入している。難民条約では,「独裁国家や政治動乱のある国は,政治的理由で迫害が行われる。その迫害を逃れ他国に庇護を求める者を『難民』と呼ぶ」とし,こうした庇護については,世界人権宣言(第14条)でも規定し,難民条約・議定書もその保護を定めている。特に難民条約は,難民の庇護,定住を確保するため,法的地位,就職福祉について詳細を定めている。
例えば,33条では,「難民を迫害の待つ国へ送還してはならない」というノン=ルフールマンの原則を定めていて重要である。
日本は,条約加入に合わせて,出入国管理令の内容を改め出入国管理および難民認定法としている。
難民の地位に関する条約(難民条約)の加盟国は,1991年現在103か国で,「難民の地位に関する議定書」の加盟国は,104か国となっている。