50音順    検 索

●外国人労働者問題 がいこくじんろうどうしゃもんだい

AD 

【外国人労働者問題とは】在日外国人の中で,歴史的背景をもつ在日韓国・朝鮮人をオールド・カマーと呼べば,急増する外国人労働者をニュー・カマーと呼ぶことができる。(田中宏『在日外国人』岩波新書 1991)

 新規入国する外国人は在留資格を問われ,就労にも制限がある。商用,教授,興行,技術提供,熟練労働,語学教師などは,就労を認められるが,その他は認められない。これがひいては,外国人労働者の法的地位を保障せず,人権を尊重しないという国際的な批判を生んでいる。これら外国人労働者の受け入れに伴う諸問題を外国人労働者問題という。

【不法就労の増加について】労働許可のない人が働くことを不法就労という。法務省発表によると,1990年の不法就労外国人摘発数は,次のようになり,圧倒的にアジア諸国が多い。

〈総数〉29,884人(1)バングラデシュ(5,925),(2)韓国(5,535),(3)マレーシア(4,465),(4)フィリピン(4,040),(5)パキスタン(3,886),(6)その他(6,034)

 また,1987年と1990年を比較すると,日本側の需要により,工員や建設作業員が急増している。

【労働鎖国と人権侵害】外国人労働者を国内で受け入れることが労働開国,それを認めないのが労働鎖国である。わが国は,長く労働鎖国を続けてきた。そこで,就労目的の外国人は,短期の観光ビザで入国し,端的に不法残留者になって,もぐりの労働を行うか,あるいは表面的には留学生などの在留資格で入国し,資格外活動として働くかのどちらかを選択しなければならない。いずれの場合も違法な労働であり,その弱みをブローカーや雇用主に利用されて,彼らの処遇には多くの人権侵害問題が発生している。

 人手不足の経済界は,単純労働・未熟練労働分野での外国人就労を歓迎するムードがあり,労働開国は不可欠とする主張がある。他方,受け入れた以上はその教育,医療,年金などの権利面でも日本人と同等の扱いをすべきであるが,それは困難であるとする主張もある。

【“内なる国際化”の必要性】外国人労働者の中でアジア人が多い理由は,日本とアジア諸国の経済格差が大きいことが考えられる。これまでのわが国のアジア軽視の姿勢を払拭することは,外国人労働者に適切に対処させることと同時に,日本人に“内なる国際化”(内面からの感じ方や考え方から真の国際化を図ること)を可能にするに相違ない。