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●ワルシャワ条約機構 ワルシャワじょうやくきこう

ヨーロッパ アルバニア共和国 AD1955 

 アルバニア・ブルガリア・ハンガリー・東ドイツ・ポーランド・ルーマニア・ソ連・チェコスロヴァキア間の「友好・協力および相互援助条約」(1955年5月14日署名,同年6月6日発効,期間20年,1年前に廃棄宣言をしない限りさらに10年間有効)に基づく集団安全保障機構(WTO)。

【沿革】ソ連は第二次世界大戦を通じて,東欧諸国を衛星国とし,1947年から1948年にかけて,各国と二国間の軍事同盟条約を締結していたが,1955年の西ドイツの再軍備と NATO(北大西洋条約機構)への加盟を契機として,ワルシャワ条約機構を結成した。なお,アルバニアは1962年の第5回政治諮問委員会に欠席して以来,ワルシャワ条約機構の活動に参加していなかったが,1968年の「チェコ事件」直後に正式にワルシャワ条約機構を脱退した。

【条約の内容】前文において,ヨーロッパの平和の確保を目的とし,国際連合憲章に沿って,各国の独立と主権を尊重し,内政不干渉の原則に従って,友好・協力および相互援助を一層強化・増進すると述べ,紛争の平和的解決(第1条),国際協力および軍縮と核兵器の禁止についての努力(第2条),武力攻撃を受ける危険があるときの協議(第3条),武力攻撃を受けた場合の即時の援助(第4条),統一司令部の設置(第5条),政治諮問委員会の設置(第6条),他の同盟への不参加(第7条),主権の尊重と内政不干渉(第8条)などについて定めている。

【組織】ワルシャワ条約機構の最高機関は,「政治諮問委員会」であり,各加盟国の書記長・首相によって構成される。「統一書記局」が「政治諮問委員会」の事務を担当し,「政治諮問委員会」は,加盟諸国の防衛力の強化,統一軍についての全般的問題を協議し決定するほか,ソ連・東欧諸国の対外政策について調整し,相互の意思疎通をはかる重要な場になっており,多くの場合モスクワでの各国首脳会議と同じ時期に開かれる。外交・軍事についての最高の調整機関はその下に置かれている「外務大臣委員会」と「国防大臣委員会」である。「国防大臣委員会」は,各国の国防大臣と「ワルシャワ条約統一軍総司令官」および同参謀総長から成り,これを補佐する「軍事委員会」とともに定期的に会合する。「軍事委員会」のメンバーは,各国の国防大臣代理および参謀総長である。「ワルシャワ条約統一軍司令部」は,「国防大臣委員会」の下に置かれモスクワにある。また,「ワルシャワ条約統一軍総司令官」は,ソ連国防大臣第一代理と兼務であり,この司令部の業務はソ連国防省の指導や兼務のソ連軍幕僚によって行われている。歴代の統一軍総司令官および参謀総長はソ連軍人である。「ワルシャワ条約統一軍総司令官」の下には,「ドイツ駐留ソ連軍」(東ドイツ),「ソ連北部軍集団」(ポーランド),「ソ連中部軍集団」(チェコスロヴァキア),「ソ連南部軍集団」(ハンガリー),「東ドイツ人民軍」(東ドイツ),「ソ連西部のソ連軍」(ソ連)が置かれている。

WTO と NATO の相違点】(1)全会一致の原則。NATO は理事会を初め,各委員会においては全会一致を原則とし,それに至らない場合は,NATO としての行動に出ることがない。このためフランスの軍事機構からの脱退や,キプロス問題をめぐる加盟国であるギリシアとトルコの紛争に適切に対処することができなかった。WTO においてはソ連の支配力が強く,チェコ事件(1968)においてもルーマニアの意向を無視して,ソ連・東ドイツ・ハンガリー・ブルガリア・ポーランドの五カ国軍による軍事介入が強行された。(2)独立と主権の尊重。NATO においては,各国の主権が尊重され,内政干渉は認められない。WTO においては,ワルシャワ条約前文および第8条によって,主権の尊重と内政不干渉が標榜されているにもかかわらず,ハンガリー動乱(1956)・チェコ事件においては,ソ連を主とする他国の軍事力による介入が行われた。(3)軍縮と核兵器の禁止。ワルシャワ条約は,一般的な軍縮および原子・水素兵器その他の大量破壊兵器について,効果的な措置をとることに努力する(第2条)と明示しているが,NATO

条約にはこのような規定はない。今日の NATO 軍も WTO 軍も,通常兵器と核兵器を装備しているが,軍縮(たとえば相互兵力削減交渉)や核兵器の禁止(たとえば核兵器不行使条約の交渉)は,東西の意見が対立して進展していない。