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●ワリス=エ=フチュナ

ヨーロッパ フランス共和国 AD 

 南太平洋にあるフランス海外領。巨大なリーフに囲まれたワリス諸島は,ウヴェア島(南緯13度14分,西経176度10分)とも言われ,フチュナ諸島はアロ(アロフィ)とシンカヴェで構成される(南緯14度15分,西経178度5分)。陸地面積は255平方km,海域面積は30平方km,人口は1万2,408人である。首都はマタウツ。ワリス諸島は,1767年イギリス人ウォリス船長によって発見された。1842年フランスに占領され,フチュナ島は1888年フランス領有となった。ニューカレドニアのフランス政庁の管轄下に置かれたが,ウヴェア島に一人,フチュナ諸島に二人の世襲的な王(大酋長)がいて,伝統的な政治機構を維持するフランスの保護領という地位にあった。第二次世界大戦が始まるとアメリカ軍が,日本軍の南下に備えてウヴェア島を軍事基地化し,軍用飛行場を建設した。島の北部に現在もある空港はそれを改修拡張したものである。第二次世界大戦後,ド=ゴール大統領の憲法案によって,この島民も住民投票を行い,その結果フランス海外領という政治的地位を選んだ。1961年7月から正式にその地位に移行し,ニューカレドニアから分離した。そしてフランス上院と国民議会に,それぞれ一議員を選出するなど,フランス共和国の一地方行政単位となっている。

 ワリス島もフチュナ諸島も火山性の島と環礁で構成されているが,コプラ以外の資源に乏しく,SPC南太平洋委員会)の経済統計では輸出はゼロとなっている。そのためフランスからの財政経済援助(1980年には約830万米ドル)に頼り,一人あたりの GNP は1,000米ドル弱となっている。こうした経済事情のために島民の多くがニューカレドニアに移住,その数は1976年9,571人,1983年1万2,174人と郷土の人口に匹敵する数に達し,またその他ではヴァヌアツにも数百人が出稼ぎに出ている。このフランス海外領には今のところ独立運動はない。なお島名は英語ではウォリス=アンド=フツナと言う。