●藁しべ長者 わらしべちょうじゃ
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一本の藁を次々に有利な物と交換して長者になるという昔話。観音祈願型と三年味噌型の二つに分かれる。前者は,観音に祈願した男がその告げにより最初に手にふれた藁しべを拾いそれに虻を縛る。そのあと,虻と蜜柑・蜜柑と反物・反物と馬・馬と田畑と交換を重ねて長者になったと説く。『今昔物語集』を初め『古本説話集』『宇治拾遺物語』などに類話が載っている。藁しべによる出世を語るとともに,神仏の霊験譚的な要素が強く,主に唱導説教の場などで広められたと考えられる。後者は,一本の藁しべをもらった男の子がそれを木の葉と交換する。さらに,木の葉と味噌・味噌と刀を取り替え,その刀によって富を獲得する。話に霊験的色彩は見られない。両型の先後関係は明らかでないが三年味噌型が東北と九州に伝承が濃く,国の南北に片寄った分布を見せているのに対して観音祈願型は,ほぼその中間地帯を埋める分布を示している。