●侘び わび
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侘(わぶ)とは,わぶること・思いわずらうこと・閑居を楽しむこと。閑雅な風趣・さびをさす。これは本来平安時代には華美好みであったのを鎌倉禅でわびを芸術化し,さらに茶道とも関連をもつ。書院造りともかかわり,「わび茶」が成立している。これは貧しい者や隠居老人の悦ぶ茶ではなく,真行草の三体一致の茶である。それほど奥深い含蓄をもつものである。わびの本質は,花にも紅葉にも期待をもたないものである。自然石を大切にし,石組み・枯れ山水に美を見出している。かかる無一物で豪華でなく空の思想をもつ,しぶみ・地味および閑寂を大切にしている。そこには,荒・宿・錆のような美をもっていろ。この種のものは,戦国の陣中のなかで実現できる花と花生の間に生きる人の考え方,それゆえに一層美しく感得するものとなっている。千利休は,百千のなかから一番優れた一輪を選び出し,もちろん蔓・葉,明日さく蕾をつけた自然の一枝のなかにわびの究竟地を見出している。