50音順    検 索

●和同開珎 わどうかいちん

アジア 日本 AD 

 奈良時代に鋳造された日本最初の貨銭で,円形方孔を有し「和同開珎」の四字を右廻りに配している。銀銭と銅銭と二種あった。「開珎」を「開宝」(かいほう),「開珍」(かいちん)と読む説が対立している。『続日本紀』によると708年(和銅1)武蔵国から和銅が献じられて後,2月に催鋳銭司(さいじゅせんし)をおき,5月に銀銭を発行し,7月に近江国に銅銭を鋳造させ8月に銅銭を発行したとある。翌年8月銀銭は廃され銅銭のみ流通した。銅銭は山城国(京都府相楽郡加茂町銭司)・周防国(山口県山口市鋳銭司・下関市長府安養寺町)その他で盛んに鋳造されたようである。711年(和銅4),政府は流通を促進するために,銭を蓄えた者にその金額に応じて位階を授けるという蓄銭叙位令を発布し,また私鋳銭を厳罰に処すとした。和同開珎は畿内はもとより全国に流通したらしく,出土例も多い。

〔参考文献〕小葉田淳『日本の貨幣』1958,至文堂