●輪島塗り わじまぬり
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石川県輪島市に産する漆器。堅ろうで実用的な飲食器(膳・椀・平皿など)を主とする。特徴は,[1]下地に輪島地の粉(じのこ)と称する,市内小峰山のケイ藻土の粉末を用いること,[2]布着せ(木地の外側・上縁などの破損しやすいところに麻布を漆で貼る)をすること,[3]装飾に沈金を施すこと,などである。起源は,室町時代に紀州根来寺の僧が市内の重蓮寺にきて,寺の什器を造ったのが最初とされている。1476年(文明8)建立の重蔵(しげくら)神社の棟札に,塗師三郎次郎定吉という漆工の名が見える。この神社の氏子札は,諸国行商の漆器商人に保証を与えたと言われ,神社と漆器業者との深い関係がわかる。沈金の技法は,享保年間(1716〜1736)に大工五郎兵衛が,大工ノミの刃先で塗り物に彫刻をしたのが最初で,明和年間(1764〜1772)に舘順助(たちじゅんすけ)が輪島沈金の基礎をつくった。輪島塗りは塵埃を極端に嫌うため,上塗りは塗師蔵という外気の寒暖を伝えにくく塵埃が飛散しない専門の場所(通常は土蔵の二階)で行う。漆の乾燥にも,塗師蔵に設けた塗師風呂(塗りこみ風呂・回転風呂・上げ風呂・湿(しめ)風呂の四種類)で行う。