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●輪中 わじゅう

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 河川の氾濫原につくられた集落の形態で,集落と耕地を洪水から守るため周囲に堤防をめぐらしてあり,洪水防御の共同体制をもち,堤防管理には厳重な取り決めがあった。一般的には,木曽川長良川・揖斐川の下流デルタ地帯のものを指すことが多いが,発生は奈良盆地の小河川の中流域に始まったと考えられている。河川が形成した自然堤防や河畔砂丘に土盛りや石垣で人工的につなげて輪状の堤防を築き,低地を耕地とした形態をもつ。輪中の建設は,戦国時代から盛んとなり大規模なものは江戸時代にできている。ただ,輪中の建設は大きな問題をはらんでおり,形成時から上流と下流のものとに防水・排水のための対立があった。たとえば,木曽川のデルタにある長島においては,江戸期尾張藩が高堤を木曽川の東に築いたので,西の輪中は水害を受けるはめになり,尾張藩の輪中は大きくなる一方,他の地域は移動することになった。近年,技術の進歩により洪水の危険が少なくなり,輪中の景観は大きく変化している。