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●ロンドン塔 ロンドンとう

ヨーロッパ 英国 AD 

〈倫敦塔(ロンドンとう)の歴史は英国の歴史を煎(せん)じ詰めたものである。過去と云う怪しき物を蔽(おお)える戸張(とばり)が自(おの)ずと裂けて龕中(がんちゅう)の幽光を二十世紀の上に反射するものは倫敦塔である。〉(夏目漱石『倫敦塔』)。ロンドンのテムズ川北岸にある旧跡。1078年ごろウィリアム征服王がホワイト塔を構築して以来,中世歴代の王によって増築された。現在ホワイト塔を中心に二十ばかりの塔を結ぶ姿を横たえている。塔内にはローマ帝国支配時代の遺構もある。元来は城砦や王宮として用いられたが,後には政敵や国事犯を収容し処刑したので陰うつな歴史を凝縮している。たとえばベル塔にはトマス=モア,ブラッディ塔には少年王エドワード5世と弟ヨーク公・ウォルター=ローリー,グリーン塔にはヘンリー8世の第二王妃アン=ブリン(エリザベス1世の母)・第五王妃キャサリン=ハワードなどが閉じ込められ処刑された。エリザベス(のち1世)も少女時代に2カ月ばかりベル塔に幽閉されていた。

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