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●ローラット法 ローラットほう

アジア インド AD1919 英領インド帝国

 1919年3月インド政庁が民族運動弾圧のため制定した一連の法律をさし,正式には刑事緊急権限法と言う。令状なしの捜査・逮捕と裁判なしの投獄を認めるという内容で,1915年に第一次世界大戦中の治安維持を目的に制定されたインド防衛法の,戦後における継続を意味するものであった。イギリスは,インドに対し大戦への協力と引きかえに戦後の自治を約束してきただけに,この悪法はインド人の激しい抵抗を引き起こした。そして,ローラット法制定の翌月,パンジャブ州のアムリッツァームで開かれた抗議集会にイギリス軍が発砲し1,000人を超す死傷者を出した事件は,インド人の反英気運をいっそう盛り上げることになった。これを機にヒンドゥー系の国民会議派とムスリム連盟が提携し,ガンディーを指導者に全国的な非暴力不服従運動が生み出されていくのである。なおローラットとは,イギリスが法律の制定に先立ち,インドの治安状況とその対策調査のため1917年に組織した委員会の委員長名である。