●老子 ろうし
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中国古代の思想家およびその著書。思想家老子は,姓は李,名は耳,字はタン※注1※である。楚の苦県(河南省鹿邑県)出身。孔子から礼を問われたエピソードで有名であるが,孔子よりおくれ,孟子以後の戦国時代中期以後の人物とされる。著書『老子』を特徴づける思想は,道の観念である。道は五官を超越した実在で,万物を生み出す根源であると同時に,万物のよってたつ原理である。道の作用は,無為で万物の作用を成り立たせるゆえに,自然といわれる。無為自然の道を体得したものが,聖人である。無為自然思想は,作為的行動規範を設けた儒教に対してむけられた批判である。漢代に儒教の礼教主義が精神界を支配すると,その反動で魏晋時代には反礼教主義に立つ『老子』は,『荘子』とともに流行した。また仏教が中国に導入されるさい,人々は『老子』の概念で仏教の概念を理解・説明し,中国の仏教を受容する上で,大きな貢献をなしたことも忘れてはならない。
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