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●ローウィー

ヨーロッパ オーストリア共和国 AD1883 オーストリア=ハンガリー帝国

 1883〜1957 ウィーンで生まれ,アメリカで活躍した文化人類学者。北米インディアンの野外調査を行い,相次いで優れた民族誌を公刊し,多大な功績を残した。とりわけ,彼を有名にさせたのは,一連の概論書の刊行で,家族と婚姻,親族と氏族組織,結社と政治組織の分野で大きな貢献をなした。彼は実証的な資料を執拗なまでに引用しながら,単系的進化論を厳しく批判する立場に立つ。進化論者に従えば家族は歴史的産物であり,それに先行して母系氏族が存在していたことになる。ローウィーは主著の『原始社会』で進化論者の議論は空論であり,氏族が見出されない社会でも夫婦と子どもからなる家族は存在しているとし,家族の普遍性を主張する。『国家の起源』(1927)でも進化論的学説をしりぞけ,多種多様な実例を挙示し,国家の成立過程を考察する。しかし進化論を反駁しながらも,彼自身,体系的理論を生み出すにはいたらなかった。