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●錬金術 れんきんじゅつ

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 卑金属を金・銀などの貴金属に変えようとする技術をさす。起源は古代エジプトの冶金術にまでさかのぼり,ヘレニズム時代にはアレクサンドリアを中心に,不老長寿薬を求める医術とも結びついて発達したが,多分に呪術的傾向が強かった。ギリシア・ローマの滅亡とともに,錬金術は他の学問と同様アラビアに受け継がれ,そこで古来の呪術性が減少し,化学的性格が濃くなった。彼らによれば,物質はすべて数種類の根元元素が混合してできたものであり,混合の割合を変えることで金をつくり出すことができるとされた。そのため各種の化学的実験が行われ,もちろん金は得られなかったが,さまざまの化学反応の知識や実験器具が結果的にもたらされ,近代化学の礎となった。アラビアの錬金術が歴史に果たした役割は,『イソップ物語』の話にたとえられる。すなわち,ある場所に宝が埋めてあるというので掘ってみたところ,宝はついに発見されなかったが,掘り返したおかげでそこはよい畑になった,という話である。