●レット人 レットじん
ヨーロッパ ラトビア共和国 AD
ラトヴィアの主要民族。134万人(1970)。東部のラトガル人,ドヴィナ川南岸のゼルガル人,西部のクール人の3部族を基盤にして成立した民族で,言語上の分類ではインド=ヨーロッパ語族東バルト系に属する。これら部族が,さらにリガ湾沿いのウラル語族のリヴ人を吸収しながら相互に融合し,16世紀ごろまでにレット人としての民俗性が形成された。宗教的にはルター派が優勢で,東部にカトリック信徒が存する。この宗教構成は長期にわたるドイツ人支配の結果である。13〜16世紀にラトヴィアを支配したドイツ騎士団は1561年にルター派に改宗し,同地方はポーランドに臣従するクールラント公国とポーランドの直属地に分かれた。だが後者の大部分は17世紀中にスウェーデン領となり,また18世紀には同地方全体がロシア領となったが,支配権を握り続けたのは地主貴族らのドイツ人であった。19世紀後半に近代的民族意識が形成された。1918年にラトヴィア共和国が成立し,農地改革の結果ドイツ人の勢力は弱まった。1940年,ソ連に併合,1941〜45年にはドイツに占領されたが,赤軍による解放で再びソ連の一共和国となった。