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●暦象新書 れきしょうしんしょ

アジア 日本 AD1798 江戸時代

 長崎の退職通詞志筑忠雄の訳述書。英国のケイルのラテン語の書『天文学・物理学入門』をオランダのルロフスが訳し,1741年,ライデンで出版したものをもとにしている。上中下3編6冊。上編は1798年(寛政11)・中編は1799年・下編は1802年(享和2)。ニュートン力学の数理をよく理解し,訳文中に多くの補説を加え独創的な新説を加えて原書から独立した性格の内容をもつ。上編巻の上ではケプラーの第3法則をわが国にはじめて紹介,上編巻の下では,ケプラーの第2法則(面積速度一定の法則)を述べている。付録で地動説に触れているが,結局認めきれなかった。中編巻の上では日常の力学問題を,中編巻の下で引力論に触れ地円・地方併記に終わる。下編巻之上で楕円幾何学を,下編巻之下で楕円運動と求心力を述べている。最後の「混沌分判図説」は,宇宙創成の試論としてつとに有名である。本木良永の門人ともいわれている。