●歴史教育学 れきしきょういくがく
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「歴史教育学」は,歴史教育の理論ならびに実践に関する実験・実証的な臨床科学(実践科学)であり,「教育学原理」「現代教授学」「教育課程論」「教科課程論」「発達心理学」「教授心理学」「授業研究」および「歴史学」(国史・西洋史・東洋史)などの専門諸科学を基盤とする学際的な科学である。いわば「教科教育学」の一部門ということができる。「歴史教育学」という用語が使用されるようになった時期は明確ではないが,平田嘉三が,「教育科学社会科教育」(57〜67号,明治図書,1969.5〜1970.3)において論考「新しい社会科をめざして−−新しい歴史教育学−−」で使用したのが初めてと思われる。1978年(昭和53)に,日本で初めて広島大学教育学部に“教科教育学科”が創設されてから,「歴史教育学」という用語が公式に用いられるようになり,1980年には,平田嘉三・豊田武・尾鍋輝彦編『歴史教育学事典』(ぎょうせい)が刊行された。「歴史教育学」は,その研究組織として,今日,次のように考えられている。
歴史教育学−原理・比較・成立
歴史教育方法学−教科課程論・教育方法原理・学習心理・授業研究・実験実証
歴史教育内容学−教材構成論・教材内容論・内容基礎編
また,その研究領域としては,今日,次の諸領域に関する研究がさかんに行われている。(1)歴史教育の原理的理論的研究,(2)歴史教育論成立史研究(日本・アメリカ・フランス・イギリス・西ドイツ・東ドイツ・ソ連・中国など),(3)比較歴史教育論(各国の比較歴史教育),(4)国際理解教育としての歴史教育論,(5)歴史教育方法原理研究,(6)歴史授業研究(授業分析を含む),(7)歴史教育実験・実証研究,(8)歴史意識発達論(発達心理学的研究),(9)歴史的思考力論(教授心理学的研究),(10)歴史教科課程論(小・中・高一貫性の計画),(11)歴史単元構成研究(野外調査を含む),(12)歴史教材構成論,(13)歴史学習過程・学習形態研究,(14)歴史教材研究(視聴覚教材研究を含む),(15)歴史教科書比較分析研究,(16)歴史学習指導評価研究,(17)歴史教育経営研究(歴史資料保管を含む)。
なお,直接歴史教育研究の領域とはいえないが,歴史教育に深くかかわる「歴史教育内容基礎研究」として,次の諸領域の研究が重要である。(1)歴史教育の基礎としての史学史研究,(2)歴史教育の基礎としての学説史研究,(3)歴史教育の基礎としての文化財研究,(4)歴史教育の基礎としての民俗資料研究,(5)歴史教育の基礎としての歴史資料研究,(6)歴史教育の基礎としての地域歴史研究,(7)歴史教育の基礎としての歴史地理研究。
〔参考文献〕平田嘉三・豊田武・尾鍋輝彦編『歴史教育学事典』1980,ぎょうせい
加藤章・佐藤照雄・波多野和夫編『講座歴史教育3巻』1982,弘文堂