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●礼拝 れいはい

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 イスラームの五柱,第2の重要な宗教的義務で,アラビア語ではサラート,ペルシア語ではナマーズという。中国=イスラームでは乃瑪孜(ナマーズ)を用い,礼・礼拝ともいう。礼拝は,信者の神に対する服従と感謝の念を表す行為である。礼拝には,義務である1日5回の礼拝,金曜日正午に行う集団礼拝,二大祭日,すなわち断食明けの祭り犠牲祭の礼拝,自発的な礼拝などの種類がある。礼拝の前に身を浄め,礼拝の意図を明らかにする。礼拝は神と交る最も重要な方法で,〈アッラーは偉大なり〉の朗唱から始まり,左右に対する挨拶を含む所定の言行からなる。その一連の言行の単位をラクアといい,1回の礼拝に2〜4回のラクアを行う。礼拝は原則としてモスクで行うが,任意の場所で行うことができる。現在は,役所や工場などに礼拝所を設けているところもある。

【1日5回の礼拝】これは義務としての礼拝で,(1)早朝の礼拝,(2)昼の礼拝,(3)午後の礼拝,(4)日没の礼拝,(5)夜の礼拝である。早朝の礼拝は,日の出1時間半前から日の出のあいだに行い2ラクアを行う。昼の礼拝は,正午15分後から3時間以内に行い,無声で4ラクアを行う。午後の礼拝は,昼の礼拝終了3時間後から日没約15分前に行い,有声で4ラクアを行う。日没の礼拝は,日没後から夜の礼拝の呼びかけが始まるあいだに行い,3ラクアを行う。イスラーム社会では陰暦を使用し,日の出とともに一日が始まると考えられているので,この礼拝は,眠りからさめる日の出前の礼拝とともに重視されている。夜の礼拝は,日没後1時間半に始められ,4ラクアを行う。これは就寝前の礼拝とも呼ばれ,それ以前に眠ることは禁じられている。

【金曜日の礼拝】毎週金曜日に行う礼拝で,昼,モスクで行う集団礼拝である。ムスリムにとって,金曜目は1週間のうち最も神聖な日で10歳以上の理性ある健康な男性は,この礼拝に必ず参加しなければならない。10歳未満の男性および一般の女性にも,自発的参加がすすめられる。旅行者や病人などは自由意志にまかされるが,参加することが望ましい。礼拝に先立って,イマームは祈りの呼びかけを行い,説教壇(ミンバル)にのぼって挨拶し,礼拝者もこれに応えて挨拶する。呼びかけが再び行われ,イマームがミンバルから説教(フトバ)を行う。説教はコーランやハディースを引用しながら,宗教や生活上の問題などについて行われる。この礼拝には必ず説教が行われ,その後,イマームの指導のもとに,2ラクアの礼拝を行う。木曜日の日没後の礼拝は,金曜日の夜の礼拝とも呼ばれる。

【二大祭日の礼拝】ヒジュラ暦第10月1日の断食明けの祭りと,第12月10日の犠牲祭の日に特別に行う礼拝。これは,ムハンマドがメッカからメディナに聖遷したヒジュラ暦元年10月l日から行うようになったという。礼拝の時刻は,太陽が〈槍の高さ〉,すなわち約3mに達したあとから午後の礼拝のあいだに行う。この礼拝の前後の礼拝は,一般に行わなくてもよいとされている。2ラクアを行い,1ラクア目のコーラン読誦の前に,タクビール,すなわち〈アッラーは偉大なり〉という句を7回唱える。また,2ラクア目のコーラン読誦の前に,タクビールを5回唱える。この礼拝には,老若男女全員が参加する。信者は清潔な服装をし,礼拝のための身の浄めも小浄より大浄がよいとされる。なお,断食明けの祭りでは軽い食事をしたあとに礼拝すること,犠牲祭では礼拝後に食事をとることがよいとされる。両大祭の礼拝では,礼拝の呼びかけアザーンは省略する。

【自発的な礼拝】信者はスンナによる礼拝や自発的礼拝も行う。スンナによる礼拝は,ムハンマドが慣行(スンナ)として,義務の礼拝前後に行っているもので,時間やラクアの回数などに規定があり,早朝,日没後,夜の礼拝の場合に行うそれは有声,その他は無声で行う。自発的礼拝は,まったく任意に,ラクアの回数や時間の規定などもなく行う。その他,死者に対する礼拝もあるが,死者は祈りの対象とは考えられないので,イマームの指導のもとに信者は直立したまま礼拝する。