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●霊魂 れいこん

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 人間を全体としてとらえた場合,その肉体に対立するものが霊魂であり,人間の死後,肉体が滅びたのちも存続するものと考えられ,世界的にみても各地の宗教になんらかの形で霊魂に対する言及がみられる場合が多い。また必ずしも人間に限らず動植物,さらには事物に対しても霊魂の存在を認める思考も存在している。日本では霊魂に相当する古語はタマとモノである。タマは人魂・たましいなどのことばに残り,本来は肉体に宿る人格的な存在であったと考えられている。一方モノは人間以外の事物の霊魂であり,モノノケなどのことばに現れているが,モノとタマの区別はしばしば錯綜している。これらの霊魂は死後に限らずとも肉体や事物から遊離することがあると考えられた。それを肉体に付着させる呪術として鎮魂の儀礼が行われ,それによって生命が再び活性化するものとされていた。民間信仰には人間の死後,種々の供養によって不安定な霊魂が安定した祖霊になっていくというプロセスをうかがうことができる。