●ルーベンス
ヨーロッパ ベルギー王国 AD1577
1577〜1640 17世紀ベルギー,フランドル絵画の代表者・指導者というよりも,いわゆるバロック時代の最も有名な画家である。ドイツ生まれで父は法律家。アントワープ市参事官であった。23歳のときアントワープを発って当時芸術の中心地イタリアに遊学,8年の滞在中にマントヴァ公の知遇を得て宮廷画家となり,その本職はもちろん,外交的使命も帯びてヨーロッパ各地をまわった。30歳のとき母の重病のためアントワープに帰りそこに定住したが,この修業中に北方の写実を南方バロックに結ぶルーベンス独特の総合的な様式を完成した。バロックは信仰の世紀であったが,彼も信仰への情熱を宗教的芸術に打ち込んだ。なかでも帰国後33歳の作「キリスト降架」や,50歳ごろの「聖女カテリーナの神秘の結婚」,51歳の「戦争と平和のアレゴリー」,57歳の「聖リーヴェンの殉教」など各地寺院の祭壇に巨大な宗教画を,明るい色彩と躍動感でいろどった。