●ルースカヤ=プラウダ
NIS諸国 ロシア連邦 AD
11〜12世紀のロシア最古の成文法。簡易本(第1編集18条と第2編集25条)と拡大本(第3編集121条)とがある。第1編集は「ヤロスラフの法典」,第2編集は「ヤロスラフの子らの法典」と呼ばれ,第3編集は「ヤロスラフの子らの改訂法典」「ウラジミル=モノマフの法令」「その他の法令」の3部より成る。「プラウダ」は真理・正義・法を意味する。その条文の分け方・成立年代については諸説があるが,11世紀中ごろからつくられ始め,12世紀末〜13世紀初めに第3編集の形になったと思われる。その起源についても,裁判官の私的法律集か公文書か教会法律集成への追補かの諸説があるが,総じてキリスト教伝来当時のロシアの慣習法の文書的集成を出発点とし,「血の復讐」が私的賠償金(ヴィラ),ついで国家的刑罰としての罰金(プロダージャ)へと変化するのが示され,公が立法し社会生活を規制しうるとするビザンティン法概念の影響がみられる。殺人・凌辱・窃盗に対する罰を規定,高利貸・遺産分配・農民・奴隷に関する規定も含み,古代ロシアの社会・経済を知る上で重要な史料である。のちイヴァン3世の法典(1497)の基礎となる。なおデカブリストの指導者ペステリが1824年に起草,南部同盟の綱領となったものも,同じ名前を付された。