●倫理 りんり
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人間関係(人倫)の秩序の基礎となる理法。“道徳”と同じ意味で使われることもあるが,区別する場合には,個人の心構え・安寧を説く個人倫理的傾向が強いものを道徳,共同体のなかでの人間関係を主眼に置く社会倫理的なものを倫理とするのがふつうである。また,自覚的客観的な視点からのものを倫理,体制的宗教的なものを道徳とする場合もある。ヨーロッパ語では,倫理・道徳はともに風俗・習慣・性格を意味する語に語源をもつ。ここからもわかるように,倫理の成立の歴史的基盤は習俗にある。習俗は共同体意識の具体化であり生活の知恵の結晶であるが,その洗練化としての倫理は,習俗とともに固定化する傾向をもっている。倫理はまた一種の社会的規範として“法”と共通する性格をもつ。実定法の理論的根拠として自然法をあげることが多いが,近代の自然法概念は倫理にきわめて近い。習俗・法と対比した倫理の特徴は,普遍性と内面性にある。