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●リントン

北アメリカ アメリカ合衆国 AD1893 

 1893〜1953 1930〜40年代の世界を代表する人類学者。コロンビア大学・エール大学教授として幾多の後進を育てる一方,アメリカ人類学会長など数々の要職を歴任した。当初は物質文化を中心に考古学に興味をもったが,1920〜22年ハワイのビショップ博物館から南太平洋のマルケサス島調査に派遣され,そこで生きた人間とその文化により強い関心を抱き,それ以降は文化人類学に転向した。その後マダガスカル島民の調査に従事したが,後年は調査を離れて,“個人のパーソナリティ形成における文化の役割”を中心に理論的研究に力を注いだ。とくに地位と役割,生得的地位と獲得的地位,あらわれた文化とかくれた文化などの諸概念を確立して,文化人類学のみならず社会学・心理学など隣接諸科学に多大の影響を与えた。主著に『The study of Man』(1936)・『Cultural Background of Personoality』(邦訳:文化人類学入門,1945)があるが,後年は世界史的視野から文化の解釈を試み,『The Science of Man in the World Crisis』(邦訳:世界危機に於ける人間科学,1945)・『The Tree of Culture』(邦訳:人類学的世界史,1955)などの人類文化史を著した。