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●良心の自由 りょうしんのじゆう

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 日本国憲法第19条で保障されている良心の自由は,信条・信念に反する行為を強制されないことを意味する。典型的には,ヴェトナム戦争期におけるアメリカでの良心的兵役拒否の事例がある。この自由が,信念にもとづく行為の自由を必ずしも意味していないこと,さらには単に観念的に信念をもつことの自由を意味していないことには注意すべきである。良心の自由が消極的な意味でのものとされる背景には,良心概念の主観性がある。ヨーロッパ語に由来する現代の良心概念は,共同知としての倫理意識に近い意味をもつ。倫理意識は社会的起源をもちながらも,個人の主観的体験に大きく左右される。とくに統一的価値観不在の現代では,良心の実質的内実の普遍性は大きくはない。今日では,良心のやましさの実質の個人的差異はきわめて大きい。良心の自由の消極性は,倫理的人格の統一原理としての良心の普遍性と主観性との妥協の産物であるといえよう。