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●良心 りょうしん

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 西洋における良心の語源は,広義には意識まだは全体知のことである。この語から良心という狭義が,道徳意識という意味をもって取り出されたのである。良心という漢語は,孟子が用い,放心に対するものとされている。これは,日本語のこころが凝ることや,こころが集中することと同じく,意識が中心的・本質的なものへと集中していく運動において働くものであることを意味している。良心の本質・良心の明確概念は,良心という客観的・現実的に生起する個人の体験のなかから得られる。良心は,自分自身の行為を責め咎める働きであり,また,ほかからの信頼への裏切りに対する咎めの働きである。すなわち,良心はまず,自己意識の独立化において働き,ついで,単に個人意識にとどまらず,社会連帯性と結びついているのである。良心の声は実は,人間存在の根源である人倫全体性からの呼び声であるといえるのである。