50音順    検 索

●良渚文化 りょうしょぶんか

アジア 中華人民共和国 AD 

 浙江省杭県良渚鎮遺跡を標準とする新石器時代の文化。江蘇省南部と浙江省北部,太湖周辺から東海岸まで分布する。出土の土器は,砂まじりの夾砂灰黒陶と,泥質灰陶に黒色陶衣を施して磨き,漆黒色または鉛黒色の光沢を呈す黒皮陶を主とし,少量の橙色に近い夾砂紅陶と泥質紅陶がある。やや薄手でロクロが用いられ,器表は無文が多いが,刻文・竹節文などや,種々の透かし孔のあるものもあり,またごく少ないが,彩陶,焼成後に彩色した彩絵陶,漆(うるし)を塗った漆絵陶もある。また文様も殷周の青銅器に用いられて,さらに複雑怪奇になった。東南の玉の文化が,中原の文化に影響を与えていたのである。骨器は,先行する河姆渡(かぼと)文化では大量にあったが,これにつぐ馬家浜(ばかひん)文化,良渚文化では漸減していく。石器には打製の鉞(えつ)形器などがあるが,磨製が多く発達しており,大型の三角形犂(り)状器や中耕用らしい有孔耘(うん)田器,鎌・のみ・斧・有段手斧・,双孔または無孔の長方形刀,有孔半月形刀などがある。石器の農具と併せて,稲作農耕を中心とする農業が行われていたことが知られる。住居は地面建築の高床式で,木のほかに竹や葦の筵を用い,井戸もあり,犬・豚などを飼育していたようである。また箕(み)・籠・筵・縄など種々の竹編み器物や,盆・櫂(かい)・つち・桶などの木器もあり,麻の布・縄や,絹の布・ひもなども出土している。絹は中国最古のもので,養蚕によるものといわれている。なお,蚕文のある黒陶が発見されている。良渚文化は,馬家浜文化のを継承発展したもので,農業・手工業に発展がみられ,貧富の差も進んでいたようである。年代はほぼ紀元前3100年から紀元前2200年ごろで,この文化層の上に,青銅器時代早期印文陶文化がある。

〔参考文献〕中国社会科学院考古研究所編著『新中国的考古発現和研究』1984,文物出版社

文物編集委員会編『中国考古学三十年』1981,平凡社