●猟師 りょうし
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狩猟を生業とする者のこと。これには小狩猟をもっぱらとする者と大規模な狩猟を営む者とがある。前者は農山村民で季節的副業として小型の禽獣を対象に個人的な単純猟を行い,狩人・鉄砲撃ち・殺生人などの呼称がある。後者は東北地方や上越国境・四国・九州の山村を本拠として,専業的に大型の禽獣を対象に集団的な共同狩猟を行い,上記の呼称のほかにマタギ・マトギの民俗語彙がある。専業の猟師は各地の山地を集団でわたり歩き,山中の狩小屋に寝泊まりを重ねて,熊・猪・鹿などを狩りした。現今では職業というよりも趣味の領域に近づいている。ただし,古くからの伝統は引き継がれており,山中の作法は厳格で頭領によって統率されている。山中では山詞を用い,山の神を崇拝し,狩猟儀礼を営む。彼らの信仰する山の神は農民の信仰するものとは神格を異にし,漁師のそれと通うところがある。その信仰習俗は狩猟民文化と修験などの山岳宗教によって特徴づけられている。頭領は狩の秘伝を相伝している。狩道具には鉄砲を使用する一方,犬を使役する。とくに猪猟には昔の「犬山」の猟法に則って犬をよく使う。猟師の一派に鷹狩りをもっぱらとする鷹匠がある。