●龍宮童子 りゅうぐうどうじ
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龍宮を訪問して富をもたらす童子を授かるという内容の昔話。岩手県紫波郡の例では,ある貧乏な男が正月用の門松を淵に投げこむ。すると女が現れて礼をいい,淵の底に招待する。男は誘れるままについていって御馳走を受け,帰りにヨゲナイという醜い童子をもらう。その童子を連れ帰ってから家はだんだんと豊かになる。ところが妻に内緒にしていた童子がみつかり,妻はほうきで叩いて追い出してしまう。それ以後,家はもとの貧乏にもどってしまう。西日本では童子の代わりに,小犬・猫などと伝えており,また隣に貸して失敗してしまうという隣の爺型の話になっている。龍宮は沼や淵・洞穴の奥,あるいは海底にあって神が住んでおり,そこは富の源泉と考えられていた。神に選ばれた人間だけがそこを訪問する機会を得て,富を獲得できるという観念があった。この昔話は,そのような背景をもとにつくられたものであろう。龍宮からの童子は,神霊か小童の姿をとるという信仰の表れである。