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●琉球の宗教 りゅうきゅうのしゅうきょう

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 村落構成の中心となる御嶽信仰と,門族を中心にした火の神信仰を軸にして,現人神である巫女が祭祀にあたるのが基本である。

【御嶽と火の神】御嶽は神社の原初的形態を伝え,笠状の整った山または樹林で,その奥まったところにイビと称する神の降臨する岩または木がある。集落は御嶽の前方に設けられ,御嶽に最も近く草分けの「根所」と呼ばれる家が位置する。村落時代には根所の戸主である根人が村の行政を,また姉妹から根神が選ばれて祭祀にあたった。また村落は複数の門中(むんちゅう)と呼ばれる門族によって構成され,各門族はそれぞれの宗家の火の神を中心にして宗教的に結合されているが,とくに根所の火は村立ての火として「火の神の殿」と呼ばれ,村全体の崇拝の対象とされる。麦の祭り・稲の祭り・海神祭りなどすべての祭りが,この御嶽と火の神の殿を中心に行われる。

【巫女組織】沖縄本島の離島の久高島に今も伝わるイザイホウ神事が示すように,古くは30歳余りに達した全女性が巫女として選ばれ,根神の指揮のもとに,69歳まで村の祭祀にたずさわった。城郭時代に入ると,城主である按司(あじ)の姉妹からノロと称する巫女が選ばれ,ノロは城内に新たに設けた御嶽と館の火の神の殿を祭るとともに,管轄下の根神たちを指揮して祭祀を行った。また中山・山北・山南の三国分立の国家時代になると,それぞれ王の姉妹から首里大君・阿応理屋恵按司・佐司笠按司が選ばれた。さらに統一国家後の第2尚王統では,最高女神官として聞得大君(きこえおおぎみ)をおき,第3代の尚真王(位1477〜1527)の晩年に巫女組織を大改革し,王府から辞令と役俸をうける地方女神官としてのノロを全国の村に約300名おき,聞得大君に直属する3人の大アムシラレによって統轄させた。置県後もノロ制度だけは残ったが,宮古・八重山諸島では女神官を司(つかさ)という。

〔参考文献〕鳥越憲三郎『琉球宗教史の研究』1965,角川書店