●琉球神道記 りゅうきゅうしんとうき
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著者,袋中は浄土宗の僧で,中国に滞ろうとしたが琉球に留まり,3年の滞在の後日本へ戻った。序文の「萬暦33年巳4月」(1605,慶長10)は,本書成立の年とも書き始めの年とも考えられる。本書は,〈神祇は諸邦に通じて表裏あり〉とする立場から“神明権迹之地”としての琉球を,天竺・震旦など大世界の裡に位置づけようとしたものである。第1巻で仏教界の宇宙世界である4州をあげ,第2巻に天竺を記し,第3巻を震旦として明朝までの歴代帝王について記す。第4巻では琉球伽藍の本尊をあげて垂迹本地を明らかにし,第5巻は琉球の神道にあてられている。第5巻の内容はおもに琉球の神社縁起と神祇および琉球本来の神々であるが,ほかに神託の風俗・針衝(入墨)・髷・琉球=龍宮説・為朝伝説など,多方面にわたる記述が収められている。当時の琉球の神仰と風俗,その中にみられる日本的文化要素を伝える貴重な史料である。袋中の琉球に関する著書としてほかに『琉球往来』がある。