●掠奪婚 りゃくだつこん
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相手または相手の家族・親族の同意を得ず配偶者を獲得する婚姻のタイプ。多くは儀礼的に行われる慣習である。かつて,それが現実に存在した花嫁掠奪行為の残存であり,社会進化の初期段階の普遍的制度であったという主張もあったが,現在では支持されていない。それはむしろ,技術=文化の発達段階の相違を越えて世界の各地に存在する慣習である。ニューギニアのオロカイバ族の場合,掠奪婚は購買婚・交換婚・駆落ち婚と共存している。掠奪の多くは食人を伴う他集団への襲撃のさいに行われるが,婚資を支払うことで合法的な婚姻関係が樹立される。さらに掠奪婚が累積すると集団同士の血縁紐帯が強化され,連帯性が強められることになる。このように,掠奪婚は一見したところ反社会的な行為のようにみえるが,多くはほかの婚姻と同様,婚姻の成立と集団同士の連帯を社会的に確立する方法の一つである。