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●陸中 りくちゅう

アジア 日本 AD 

 岩手県のほぼ全域と秋田県の一部を入れる旧国名。1868年(明治1)12月陸奥国を分割して設置したもの,盛岡藩一関藩の所領は若干の変動ののち岩手県となり,しかるに1877年には鹿角(かづの)藩領は秋田県に入る。ここは古来郡に分かれている。この地域は海岸の方は陸中海岸と呼ばれ,宮古以北は海岸旧丘,以南はリアス式海岸が特徴である。この地域は海蝕景観を示す国立公園をなし,ここには大小さまざまな島があり,天然記念物に指定されている島も少なくない。それとともに内陸部は北上川沿岸とその支流ぞいをのぞいては,山また山であり,北は南部地方とも呼ばれ,秘境とも呼ばれ,日本のチベットともいわれるような後進地域であり,かつ近世には米はなかなかとれず,雑穀地帯を形成し,内陸部と海岸部とをつなぐ交通路がひらかれ,南部馬を交通手段として,交易が行われている。1727年(享保12)釜石が発見され1857年(安政4)に高炉がつくられ製鉄所の建設はこの地域を発展させる契機となった。近世期には南部藩は一揆多発地帯となっている。これも貧しさゆえということもできる。