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●理気説 りきせつ

アジア 中華人民共和国 AD 

 南宋の朱熹(1130〜1200)が完成した学説。宇宙のあらゆる事物は理と気とからなり,理は気に,気は理に決して変わりえないという典型的な二元論の骨格をもつ。気とはガス状の物質で,有機的エネルギーを内包する。万物はすべて気で構成され,すべての運動や現象も気のエネルギーによっておこされる。しかしかかる万物万象は決して無秩序に存在しているのではなく,それぞれ本来あるべき姿をもつ。その本来の姿を事物がとった時,そこに理が現れる。理とは,事物のもつ本来的な秩序性である。各事物の理はそれぞれ独自な内容をもつが,これらの理が理としてなりたつ根拠は一つである。つまり理は,宇宙の個別性と同一性の両方の原理なのである。しかし理は決して感覚で把握できない。つねに気の様態を通してその存在を覚るよりほかないものである。それゆえ理は形をとりえぬもの(形而上),気は形をとりうるもの(形而下)とされる。また理はつねに善であり,現実の悪はすべて気に帰因する。気自体は無価値なものであるが,理の発現をくらます場合,悪の根拠となる。価値論の領域ではつねに理が強調されることから,この思想を「理の哲学」ということもある。