●リカード
ヨーロッパ 英国 AD1772 ハノーヴァー・ウィンザー朝
1772〜1823 イギリスの経済学者。裕福なユダヤ系証券仲買人の子としてロンドンに生まれる。結婚問題を機に父から独立して金融業で致富。自然科学を趣味とし,1799年ごろ『国富論』『人口論』に接して経済学を志す。地代論争穀物法論争などに発言。マルサス・セー・ミルらと交友。ミルのすすめで『経済学及び課税の原理』発刊(1817)。1819年下院議員となり自由貿易や通貨改革などに努力する。経済学では富の“性質”よりは生産物の諸階級間への分配を規制する法則の研究つまり価値論・分配論などを展開。生産物の価値は投下労働量により決定,すなわち労働価値説や所得は相対立する資本と地主と労働者に分割され,賃金は最低に接近するのに反し地代は漸増すると説く。そこから寄生的受益者である地主を抑制し工業発展をはかるため穀物法廃止・自由放任を主張,また生産費の差による比較生産費説を唱え国内国外の自由貿易を合理化するなど,自由主義経済学を大成した。彼の学説はスミスの楽観主義とは異なり,即事的であり,陰の部分にある悲観主義的理論は社会主義の酵母をもっていて,そこからリカード派社会主義やマルクスの剰余価値説が生まれた。