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●蘭亭序 らんていじょ

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 中国,晋,王羲之の行書。353年(永和3)3月3日,祓禊の日,右軍将軍・会稽内史王羲之は,会稽山陰の蘭亭(浙江省紹興県)に,謝安・孫綽ら一流名士を招き,流觴曲水の宴を設けた。一觴一詠し,四言詩五言詩の2首をつくったもの11人,一題一首をつくったもの16人。そのときの詩賦をまとめて,のちに『蘭亭集』とし,王羲之の前序・孫綽の後序がつけられた。その前序が『蘭亭序』である。当日興のおもむくままに,蠶繭紙(さんけいし)に鼠鬚筆(そしゅひつ)という硬い紙筆を用いて,一気に書き上げられた。28行324字,同じ文字はみな運筆が異なり,他日王羲之は100たび清書したが,できばえは初稿に及ばなかったといわれる。文章は,うつろいやすいものへの悲しみ,人間として逃れられない死に対する憂いを表現している。『蘭亭序』は書聖王羲之の作品のなかでも,逸品中の逸品として尊重された。

〔参考文献〕『晋書』80

長尾雨山『中國晝書話』1965 筑摩書房