50音順    検 索

●乱婚 らんこん

AD 

 複数の男性と複数の女性が不特定多数の相手と乱交する婚姻形態。19世紀には,これが社会進化の初期段階の婚姻形態であったという議論が,バッハオーフェン・モルガンらによりはなばなしく論じられた。それはエンゲルスにより唯物史観の発展図式にも採り入れられ,他の社会諸科学に大きな影響を与えることになった。しかしのちに各方面から鋭い批判が生じ,またそののちの実地調査の進展にも伴い,その見解は否定された。確かに南アメリカの奥地に住む若干の部族に集団婚は存在した。しかしそれは西洋文明との接触の結果生じた社会病理的現象であった。またヒマラヤのいくつかの部族からは,複数の兄弟が一人の妻を共有し,さらに彼らがつぎつぎと別の妻たちを加えて共有してゆくタイプの集団婚に似た婚姻も報告されたが,それもむしろ一夫多妻婚の変種(一夫多妻型一妻多夫婚)とみるべきものであった。