●蘭学事始 らんがくことはじめ
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杉田玄白の回想録。上下2巻。1815年(文化12),当時83歳の杉田玄白が,対外文化交渉とりわけ日蘭交渉の発端から筆をおこし,蘭学創始の事情と蘭学発達の跡をまとめたもの。なかでも,同志前野良沢・中川淳庵らとともに,オランダの解剖書『ターヘル=アナトミア』の会読・翻訳から,『解体約図』『解体新書』出版にかけての苦心談は有名。玄白は自筆草稿の訂正を門人の大槻玄沢に依頼した。玄沢は玄白より伝聞したところに自らの見聞も加え,玄白に聞きただしながら整備のうえ,〈蘭已に東せしとやいふべき起源〉を記してあるところから『蘭東事始』と題して玄白に進呈したという。しかし,覚えやすいということで『蘭学事始』の題名にかえたともいう。幕末まで『蘭東事始』『和蘭事始』の書名で写本のまま伝わり,福沢諭吉が1869年(明治2)古写本から上・下2巻の木版本として刊行するさい,『和蘭事始』の書名を『蘭学事始』と改め,普及をみた。