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●ランカシャー

ヨーロッパ 英国 AD 

 イギリス北西部の州。ペニン山脈の西側に位置する。中世においては荒地の多い辺境にすぎなかったが,14世紀ごろから毛織物の農村工業が発達し始め,16世紀の中ごろには「マンチェスターもの」として有名になった。17世紀には綿織物工業が盛んになり,水に恵まれ石炭を多く産したため18世紀後半には産業革命の主要舞台となった。温暖で湿った気候は,乾燥すると切れやすい綿糸の取り扱いには理想的であった。中心都市マンチェスターはイギリス資本主義を支える中心的な工業都市に成長した。反穀物法運動を指導したコブデンはマンチェスターの綿布染業の工場経営者で,「コブデン=プリント」の名声をとどろかした大資本家であった。ランカシャー製の綿布はリヴァプールからインド・中国をはじめ全世界に輸出された。リヴァプールとマンチェスターのあいだに1767年に運河が開かれたが,運河と陸送ではさばききれない輸入綿花の量であり,1830年世界最初の鉄道が敷かれた。19世紀にはイギリス綿業生産の9割がランカシャーに集中した。