●羅針盤 らしんばん
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磁石,つまり天然の磁鉄が北を指し,鉄を吸引することは,中国では少なくとも戦国時代後期(前3世紀)にわかっていたと思われる。そしてこのころか,遅くとも後漢の初め(後1世紀)に,南北を指示する器械をつくり始めたらしく,これを司南または指南針と呼んだ。くだって11世紀になると人工の磁針が発明され,沈括の『夢渓筆談』によると,磁針を安置する最善の方法として,糸で空中にぶらさげることが提議され,また磁針が最北をささず,少し東に偏することも指摘されている。12世紀になると磁針は航海に用いられ,当時の広州の中国船では,夜は星,昼は太陽,天気の悪い日には指南針を見ると記し,また高麗へ使した徐兢(じょきょう)も,航海に浮針を用いると記している。ヨーロッパ・アラビアの文献では,羅針盤の記載の最も早いものでも1200年前後である。おそらく中国からの伝来によるものであろう。
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