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●ラサ 拉薩

アジア 中華人民共和国 AD 

 中華人民共和国西蔵自治区(チベット)の中心都市ラサは,トゥルナン寺(通称チョカン)を中心として発展した門前町であり,ポタラ宮を含む政治・経済・文化の主要都市である。ヤルツァンポ河の支流キチュ川の流れる盆地にあり,標高3,630m,降水量が少なく太陽の都と称される。吐蕃王朝のソンツェン=ガンポ王が,観音菩薩が飛来したと伝えられるラサのマルポリ山に夏の宮殿を建築し,オタン湖を埋めてトルナン寺・ラモチェ寺を建立したことに始まる。埋め立ての土を運んだ山羊から山羊の地といわれ,のちに寺にちなみ神の地と称されるようになった。ツォンカパがトゥルナン寺の祈願会を創始して,以前にもましてラサはチベット第1の巡礼地となり,第5世ダライ=ラマがマルポリ山にポタラ宮を建築したことにより政治・宗教・文化・経済の中心となって発展した。その後,ズンガルの市内略奪・イギリスの侵入など幾多の変遷をたどり,第14世ダライ=ラマの亡命後も引き続き自治区の中心となっている。トゥルナン寺内のナンコルと,トゥルナン寺の外側に沿って廻るパルコル,ポタラ宮と旧市街全体をまわるリンコル(外環状道路)が巡礼者たちの巡る道路である。現在は新しく道路がつくられて市街地は大きく広がり,デプン寺・セラ寺の近くまで家や工場が建てられている。トゥルナン寺を囲んで旧市街は壁を白く塗り窓に花壇を置き内庭をもつ3階建てのアパート群を路地がつないでいる。広場には市が立ち,パルコルに沿って軒を並べた商店や露店がある。市街には,小中学校・百貨店・蔵医院・食堂・書店・理髪店などがあり,人や車の往来が多い。ダライ=ラマの離宮ノルブリンカやポタラ宮背後のゾォンギャプ=ルカン(龍神殿)などの公園は市民の憩いの場所である。かつてテンゲリンなどの大小の寺やケサル=ラカン・カチェ=ラカンなどがあり,今もその一部が残っている。唐蕃会盟碑・ショル碑・ズンガル碑・グルカ戦碑・痘痕碑・ケサル=ラカン碑などの歴史的遺跡も残る文化の薫りの高い都市である。