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●来迎美術 らいごうびじゅつ

アジア 日本 AD 

 阿弥陀信仰によって発生した美術。来迎美術が特色ある美術作品をつくり出すようになったのは,末世思想が台頭し,源信らによって極楽浄土往生思想が広められた平安中期以後のことである。当時来迎信仰は,おもに貴族社会で盛んに行われたので,貴族たちによってつくられた建築・彫刻・絵画などのなかに,来迎美術が発達を遂げることになったが,とくに浄土図来迎図が多く描かれた。阿弥陀如来が西方浄土から現世の衆生や臨終の念仏者を救うために迎えに来る場面を描いた阿弥陀来迎図聖衆来迎図,自然を前景とした山越阿弥陀図,非常な早さで来迎する早来迎など多くの来迎図,観音・勢至菩薩を従えて来迎する姿を彫刻した阿弥陀如来像などがのこされている。鎌倉時代に入ると,仏教の広まりとともに仏を身近に感ずる現実的な信仰の広まりから,現世と来世を直接結びつけて描写する傾向が強くなった。有名なものに高野山の「聖衆来迎図」・禅林寺の「山越阿弥陀図」・三千院の「阿弥陀三尊像」などがある。

〔参考文献〕『原色日本の美術7』1975,小学館

岡田譲治『日本の美術43』1972,至文堂

石田茂作『仏教美術の基本』1967,東京美術