●ライアテア島 ライアテアとう
ヨーロッパ フランス共和国 AD
フランス領ポリネシア,ソサエティ諸島,風下群島の中心地。南緯17度,西経151度30分,タヒチから220kmの距離にある。同じ堡礁内の北部に幅3kmの水道を隔ててタハア島があり,両島の総面積は270平方km,人口は約1万人。主都はウツロア市で風下群島の政庁や中国人の商店が並ぶ。空港は市の北郊2kmにあり,タヒチ島や北西35kmのボラボラ島への便がある。ライアテアはタヒチ語で“遠い空”の意味だが,古くはハヴァイキないしハヴァイイと呼ばれていた。これはサモアのサヴァイイ島やハワイ諸島のハワイ島と同じ語源によるもので,ポリネシア人にとって,かつてそこから出発し,死ぬと再びそこへ帰っていく“原郷の地”を意味するものであった。同島の東南部オポア村には,諸島最古の石造祭儀場であるタプタプアテアのマラユがあるが,ここでは16〜17世紀ごろに,従来の創造神で海神であるタンガロア神から,その息子で大地の神であるオロ神への宗教改革が行われた。これは首長タマトア1世と神官たちの合意でなされた。同時にオロ神の宣教を目的とする遊芸人集団アリオイが組織された。アリオイはライアテアを本拠地とし,島々に支部を結成,相互に訪問しながら各種芸能の審査・披露を行った。タプタプアテアのマラエはソサエティ諸島のマラエの総本山であり,当時においてはインターナショナルな格式をもつものであったが,キリスト教の伝来とともに破壊された。しかし1969年に再構築され,いくつかの祭壇や地面に建てられた石板の配置から,往時の大マラエ群の姿をみることができる。