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●嫁いらず観音 よめいらずかんのん

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 岡山県井原町の“樋の尻観音”が有名である。近辺では“嫁いらず観音さま”と通称されているが,737年(天平9)行基の開山と伝えられている。寺伝によれば,行基が西国を行脚した際,樋の尻山一帯は悪鬼が住みつき人々を苦しめていたが,行基はこれを憐れみ,心に観音菩薩を念じるとたちまち三十三身を現してこれを鎮められた。中でも十一面観音の働きが目覚ましく,大悲の弓に知恵を矢をつがえ大悲の利剣をふるって悪鬼を鎮定されたと言う。そこで行基は白壇の木に十一面観音の像を刻み,樋の尻山の岩陰に奉祀した。以来千二百余年,樋の尻山に三十三体の観音が祀られ一大霊場化した。とくに人々はここに参詣すると,その霊験で年を取っても健康で惚けたり長らく床について嫁の世話にならずに済むと信じ,縁日の彼岸の中日には西日本各地から数万の参詣者で賑わう。その他各地でも,近年老人問題が盛んになるとともにこの種の信仰が見られる。