●ヨーゼフ=ロート
ヨーロッパ オーストリア共和国 AD1894 オーストリア=ハンガリー帝国
1894〜1939 ユダヤ系オーストリアの作家。哲学と文学をウィーン大学等で学んだ後,第一次世界大戦に志願兵として従軍。後にジャーナリストになりヨーロッパの大都市を転々とする。1933年ナチの迫害のためフランスに亡命,パリで客死。19世紀のロシアおよびフランスのリアリズムさらには故郷のユダヤの伝説に深い影響を受ける。ジャーナリストとして活動する傍ら小説やエッセイに健筆をふるい,20世紀前半のオーストリア文学では保守的な傾向の作家の一人に数えられる。感傷的でありながら透明な知性を感じさせる独特の文体で,没落していく古いオーストリア(ドナウ王国)を初めとする東欧世界・ユダヤ人社会の悲劇・故郷を喪失せねばならなかったコスモポリタンの運命などを好んで描き,当時の滅びゆくオーストリア=ハンガリー帝国の雰囲気や情緒の濃厚に漂う作品を数多く残している。代表作に『サヴォイ=ホテル( 1924)』,『ヨブ(1930)』,『ラデツキー行進曲(1932)』,『カプチン派教会の納骨堂(1938)』『酔どれ聖伝』などがある。