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●夢の代 ゆめのしろ

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 山片蟠桃の著書。12巻付録1巻。初稿本を『宰我の償』と言い,1802年(享和2)の自叙がある。これに蟠桃の師である懐徳堂の儒者中井竹山・同履軒の校閲を受けて改稿。1803年『夢之代』の草稿成立,その後も改訂に努めて,1820年(文政3)に脱稿し付録も成立。書名は『論語』公冶長篇に宰予(我)が昼寝して孔子に叱られた故事に由来する。内容は,天文・地理・神代・歴代・制度・経済・経論・雑書・異端・無鬼上・無鬼下・雑論に分かれている。基本的には,竹山・履軒的な朱子学的思考で,理を実在でなく気の条理とし五行説に拠らない。さらに地動説を唱え,『古事記』『日本書紀』の神代巻や仏教の地獄極楽輪廻転生の説などを妄説とし,人の死によって魂は消失するとして鬼神の存在を否定した。一方,万世一系の皇統と徳川幕府の支配を尊び封建制度を最上とするが,商人の営利行為を当然とし米価低落政策を批判した。本書の出版は明治以降になるが幕末までにすでに数十部の写本が流布していた。