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●湯立神楽 ゆたてかぐら

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 湯立は「ユダチ」「ユタテ」とも訓み,忌みや穢れを祓い清める神事として古くから行われてきた。この湯立が神楽に組み入れられたのが湯立神楽である。宮中行事にも,貞観の『儀式』「園井韓の神祭儀」の項に〈湯立の舞を供ふ〉と見え,宮中神楽歌のなかに「湯立」があることから,早くから湯立と神楽が結びついていたことは明らかである。今日伝承されている湯立神楽は伊勢系神楽の流れを汲むものが多く,その古風をよく残しているものに,秋田県平鹿郡の保呂羽山御神楽,長野県下伊那郡の遠山霜月神楽,愛知県北設楽郡の花祭りなどがある。祭りの次第は所によって多少異なるが,普通湯立は巫女が執り行う。その前にまず神降しをし,湯加持といって神職による湯潔めの舞が舞われ(これを湯囃子と言う),採り物による献湯が行われる。そして神送りを行い,繰り返し行われる湯立の間に,舞や能・狂言などを挿入するのが一般的となっている。