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●ユグノー

ヨーロッパ フランス共和国 AD 

 フランスのカルヴァン派新教徒。初め旧教徒側からの蔑称であった。語義は定かでないが,ジュネーヴの反サヴォア公連盟参加者“アイドゲノッセン”の訛音と言われている。王室の態度は初め曖昧であったが,1534年から新教弾圧政策がとられる。旧教徒との衝突事件が頻発した上に有力貴族の政争が絡んで内乱“ユグノー戦争”(1562〜1598)となり,パリにおけるサン=バルテルミーの虐殺(1572)では新教徒が無差別に虐殺された。この間におけるフランスの荒廃と文化財(宗教芸術)の破壊は甚大であった。ナントの勅令(1598)で信仰の自由が認められて内乱は終結したが,本来妥協的な解決であった上に絶対王政下で新教徒迫害が続いたため,カミザールの乱(1620〜1629)のような武装蜂起が生じた。ナントの勅令が廃止された(1685)ため新教徒の国外移住が続き,その多くが新興マニュファクチュアの担い手であったので,フランス近代化に一時停滞をきたすほどであった。現在,フランスの新教徒は数的には圧倒的少数にすぎないが,知識層が多くかなりの影響力をもっている。