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●湯灌 ゆかん

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 納棺に先立って死体を湯水で洗い清めること。拭(ふ)き湯灌といって,拭くだけですませる場合もあるが,ごく近親の者が縄帯・縄だすきで洗うのが一般的。肌ぬぎになって洗うところも多い。湯灌に使う水のくみ方や使った湯の捨て方には作法がある。たとえば,湯灌に用いる水を汲みに出かけた者を必ず誰かが後から呼びにいく“声かけ水”や,湯をひしゃくで出し入れするときは必ず“左びしゃく”とすること,あるいは湯は日常のかまどでなく庭でわかし,湯を混ぜて適温にする際には先にたらいに水を入れておき,そこに湯をそそぐ“逆さ水”などの習俗である。また使い終った湯は床の下や藪かげ,あるいは土に穴を掘って捨てる。こうした作法は日常の作法と全く逆の方法で行うところに特徴がある。これは湯灌が一種の清めの儀式ではあるが,物忌の場合との混同をさけるために意識的に反対の動作を行っているものと思われる。